大正７年に創業した国産万年筆ブランド「モリソン万年筆」の本店兼工房跡の古民家を一部改修し、
奈良　御所まちの魅力を体感する拠点の宿として設計した。
計4棟の古民家物件を活用した「泊・食・湯」分離の分散型ホテル「GOSE SENTO HOTEL」の施設のひとつでそのフロント機能も担う。
個性と魅力の光る客室は全部で4つ。中庭に面する各部屋をつなぐ廊下は立体的な迷路のようで、
歴史を刻んだ扉を開けて足を進めると非日常の空間へと誘われる。
当時としては珍しい洋室をベッドルームにしたり、元工房スペースを開放感のあるリビングにしたりと、
建物に刻まれた物語を壊すことなく、快適に滞在できるようリノベーションした。
「GOSE SENTO HOTEL」は『場を生むデザイン賞 2023』（一般社団法人奈良県建築士会主催、奈良県後援）を受賞した。

撮影：岡田大次郎